2014年08月23日

『全部見える 消化器疾患』(成美堂出版・2013)


短腸症候群やその原因となる病気について知ろうと思って専門書を開くと、専門用語がたくさん出てきてよく分からなかったということがよくあります。私の場合、「トライツ靱帯」「上腸間膜動脈」など、解剖学の用語が分からなくて困っていました。

この本はその解剖学の用語をリアルなカラーイラストを豊富に使って分かりやすく説明していて、とても参考になりました。特に、腸間膜の血管やリンパ、神経、小腸の発生をイラストで具体的に説明している本はなかなかないのではと思います。

また、腸閉塞(イレウス)やクローン病、急性腸間膜動脈閉塞症など短腸症候群の原因となる病気について検査方法や診断方法、治療方法などが分かりやすくまとめられていて、こちらも大変参考になりました。

レントゲン写真や内視鏡写真なども載っているので生々しいものが苦手な方にはおすすめできませんが、小腸や病気について知り、医師の説明を理解するためのとても良い手がかりになる一冊と思います。

(代表理事:高橋(正)記)

【参考】
『全部見える 消化器疾患』(成美堂出版のホームページ内)
ラベル:病気 解剖学 小腸
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2014年06月11日

『NHKきょうの健康 漢方薬事典 医師からもらう全148処方完全ガイド』(主婦と生活社・2012)


一般の方向けに図表を多く使って分かりやすく書かれていて、症状などを手がかりに自分で自分に向く漢方薬を探せるようになっているので、漢方薬を使ってみたい方が医師に相談する際にとても便利ですし、漢方医学の考え方や漢方薬についての情報もコンパクトにまとめられているため、学ぶのにも参考資料とするにも便利な一冊と思います。

当会でも今までに何度か紹介していますが、だるさや疲れやすさ、下痢など、一般的に行われている方法では治療が難しい症状に対して、現代医学の主流である西洋医学と異なる考え方をする漢方医学、特に漢方薬を使えないかという取り組みがあちこちで行われています。この本はその取り組みを理解するための基礎となるもので、短腸症候群を中心とした腸管不全への使用例を紹介しているわけでも、使用について考えられているわけでもありません。興味を持たれた方はぜひ実際の使用例が書かれた論文なども読んでみてください。

(代表理事:高橋(正)記)

【関連記事】
「大建中湯が奏功した難治性下痢の一例」
「高齢者の短腸症候群」
「大建中湯」
「十全大補湯」
「半夏瀉心湯」
ラベル:漢方薬
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2014年02月21日

『小児外科』2013年7月号(東京医学社・2013)


医師向けの専門雑誌なため予備知識や慣れが必要ですし、患者や家族にはきつい表現や症例もありますが、この一冊で日本における小腸移植の最新状況が大体把握できました。特に、手術後の拒絶反応とそれに対する治療法の現状と課題について多く書かれているので、「小腸移植も考えているけど、手術後の拒絶反応や免疫抑制剤の使用に分からないところや不安がある」という患者や家族におすすめです。最初のうちはほとんど分からないとしても、読み返すうちに少しずつ慣れて分かってきますし、それだけの価値はある一冊と思います。
目次
巻頭言 わが国の小腸移植の現況
腸管不全患者における小腸移植の適応
小腸移植ドナー,グラフトの評価・管理の現状と課題
移植小腸の組織所見
移植小腸の内視鏡所見
小腸移植における免疫抑制療法
小腸移植の中長期予後と免疫抑制療法
生体小腸移植における免疫抑制療法の工夫と治療成績
小腸移植における急性拒絶反応の抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン(サイモグロブリンレジスタードマーク)治療
脳死小腸移植後の急性拒絶反応
小児腸管不全に対する小腸移植後の栄養管理
小腸グラフトストーマ閉鎖の経験
短腸症候群による肝不全合併症例への小腸移植
肝小腸不全に対する肝移植
小腸移植をめぐる患者のセルフケア能力の獲得と支援
小腸移植の意思決定と看護支援
小腸移植後の問題に対する看護支援
小腸移植におけるレシピエント移植コーディネーターの役割
小腸虚血再灌流障害に対する水素の効果
間葉系幹細胞を用いた新しい小腸移植法の開発
免疫抑制戦略の未来像

<症 例>
 腸間膜裂孔ヘルニアによる絞扼性イレウスの一年長児例
 新生児期に腹腔内膿瘍を形成したメッケル憩室炎の1例
(東京医学社の通販ページから引用)

なお、2014年2月21日現在で表紙画像をクリックするとAmazonで中古品(古本)の紹介が出ますが、発行元の東京医学社に在庫があるので、直接通販で購入した方が安価で確実に入手できると思います。配送もAmazonと同じくらい早かったです。

【参考】
『小児外科45巻7号(7月号)』(発行元の東京医学社の通販ページ内)
ラベル:小腸移植
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2013年05月24日

『ズバッと解決! 輸液・栄養・感染管理のコツ』(照林社・2007)

※2013/7/12 「中心静脈栄養」を「高カロリー輸液」に統一したほか、少し修正しました


看護学生や現場向けの専門書ですが、マンガがふんだんに使われていてとても分かりやすいですし、項目ごとにまとめられていて読みやすいので、高カロリー輸液について学びたい、または、悩んでいるという患者や家族にお薦めの良書です。

中身は、
●栄養管理の基本 栄養管理の正しい用語 ●挿入・交換 高度バリアプレコーション/PICC(末梢挿入式中止静脈カテーテル)/CVC挿入部の皮膚の消毒剤/CVCと輸液ラインの接続部の消毒 ●ライン管理 CVラインの三方活栓/CVラインのフィルター/「生食ロック」と「ヘパリンロック」/輸液ラインの中の空気 ●製剤 なぜダブルバッグになっているのか/TPNと脂肪乳剤/カロリーやタンパク質の適正な投与 ●合併症 カテーテル敗血症 ●経腸栄養 経鼻胃チューブとPEG/経腸栄養剤の中の水分/ラインの洗浄 ●ポート管理 ポートの構造/リザーバーを埋め込む場所
となっていて※1、高カロリー輸液についてや医療の現場についても知ることができます。

私がこの本に出会ったのは、昨年(平成24年・2012年)大阪大学病院で開かれた高カロリー輸液の患者会の帰りでした。この患者会に参加する※2まで、私はそれまでに知り合った患者の話から「高カロリー輸液はカテーテル感染を起こしやすくて同じラインを長期間使うことは難しい」と思っていたのですが、参加してみたら別世界でした。患者や家族と直接会って話をし、筆者の井上医師の話を聞いて、感染を防いで10年以上同じラインを使うこともできる※3のだと大変驚かされました。そして、その驚きが冷めやらぬうちに書店に向かって出会ったのがこの本でした。

この本には、ラインの構成や消毒の仕方など、カテーテル感染を減らすための具体的なコツが書かれていて※4、これらのコツが常識になれば、カテーテル感染で悩まれている患者の悩みや苦労を相当軽減できるのではないかと強く思います。

もちろん、この本が絶対的に正しくて、どんな患者にも必ず効果があるということはないと思います。ですが、専門知識のない患者や家族にも分かりやすくて、具体的なことがまとめられている本はそうないと思うので、高カロリー輸液について学びたい、または、悩まれているという患者や家族には強くお薦めします。


※1:照林社のページ(こちら)から引用
※2:私は高カロリー輸液を行っていないのですが、こちらの患者会には小腸移植を受けた方や短腸症候群の方も参加されていると聞き、参加させてもらいました。このときのリポートはこちらです。
※3:ポートは寿命となる4〜5年で交換するそうです。また、実際に使われている在宅の方にも会って話をしてきました。
※4:感染防止を保証するものではありません。
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2011年08月06日

『小児外科』2011年4月号(東京医学社・2011)


医師のための専門雑誌で、患者にとって少しきつい表現(人格のある人間としての扱いではなく、症例の1つとしての扱いなど)もありますが、短腸症候群の治療の「今」がよく分かりました。小児短腸症候群のご家族なら、ほかの患者の様子を知り、成長後の様子を考える上で役に立つ良書と思います。

また、私が最近知った「グルタミン」「GLP-2」「ω-3系脂肪酸」「シンバイオティクス」のすべてに触れられていましたし、「D-乳酸アシドーシス」「STEP」「小腸移植」についても書かれていて、小児以外の短腸症候群の方にとっても参考になると思います。

ただ、専門雑誌だけあって専門用語が多く、それなりの予備知識が要求されますし、価格も2835円(税込)と少し高めなので、他の書籍・サイトなどである程度学ばれた方にお薦めします。

【参考ページ】『東京医学社』ホームページ内 http://www.tokyo-igakusha.co.jp/f/b/show/b01/334/zc01/5.html
posted by 高橋(正) at 20:17| Comment(2) | 参考書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月05日

『臨床栄養』2010年11月号(医歯薬出版・2010)


専門雑誌で難しいところも多かったですが、最新の情報も含めて総合的に書かれていて、とても参考になりました。

特に、小児短腸症候群について書かれているので、ご家族が治療や栄養ケアの理由を理解するのに役立つと思います。

ただ、中心静脈栄養を必要とする方や手術直後から退院するまでの方を主な対象としているので、私のように程度が軽く、状態が安定している方にはあまり参考にならないかもしれません。それでも、症状に応じて気を付けた方が良い食品やその理由が分かるので、それなりに役に立つと思います。

なお、複数の方が執筆されているので、各記事には定義などに若干の違いがあります。鵜呑みにされるのではなく、担当医の話などと組み合わせながら参考にされることをお薦めします。

【参考ページ】『医歯薬出版』ホームページ内 http://www.ishiyaku.co.jp/magazines/eiyo/EiyoBookDetail.aspx?BC=061176
posted by 高橋(正) at 20:06| Comment(0) | 参考書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月24日

『やさしい腸の手術後の自己管理』(医薬ジャーナル社・2003)


短腸症候群について、初めて知るような情報は書かれていませんでしたが、大きなイラストと活字で分かりやすく、

 ・小腸・大腸の働き
 ・手術の具体的な方法と術後の説明
 ・生活上で気を付けること
 ・自分でできる便秘・下痢対策
 ・人工肛門(ストーマ)について

などが書かれていました。

手術後や退院後の間もない時期に読まれるには適していると思います。

新しい本なので入手しやすいですし、950円(税抜き)という手ごろな価格なのも好印象です。
posted by 高橋(正) at 15:10| Comment(0) | 参考書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月20日

『胃・腸の手術後の食事療法』(同文書院・1995)


“高炭水化物・低脂肪食”について調べようと、Webcat Plusで見付けた本を取り寄せて調べています。

そして、先ほど『胃・腸の手術後の食事療法』(同文書院・1995)という本を開いたところ、7-2.で、“短腸症候群の食事療法”とそのものずばりの内容が書かれていました。

この部分に書かれている内容は、流動食についてが主のようで、その少し前の“6-2.小腸切除後の食事療法”に書かれている内容が私には役に立ちそうです。

また、胃の手術後の食事療法に比べて、小腸や大腸の手術後の食事療法について書かれている部分はあまりありませんが、小腸の構造と働きや短腸症候群の定義などについても書かれています。

教科書のような感じの文章と図表で説明されていますし、お近くの図書館などで借りることができるのなら、ぜひご覧になってみてください。

なお、ネットで出版元の同文書院を調べてみたところ、2010.3.20現在、この本は販売されていないようで、古本として流通しているものを購入するか、図書館などで借りるしかないようです。
posted by 高橋(正) at 15:37| Comment(0) | 参考書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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