2014年06月10日

Gattex(R)

ここに書いた内容は私が知っていることをまとめたもので、まだ書きかけです。間違っているところがあると思うので、ご利用の際はよくご確認ください。
※2014/6/10 本文中にあった「皮下注射を26週間(半年間)行います」は臨床試験での場合で、実際の治療ではずっと続けるそうです。お詫びして訂正します。
※2014/5/28 開発元であるNPS社の方に聞いた話を追加しました。
※2014/3/3 開発元であるNPS社の担当重役に聞いた話を追加しました。
※2013/10/17 名前を「Gattex(R)」に統一しました。
※2013/7/12 本文中にあった「『1回』の治療」は「『1年間』の治療」の間違いでした。お詫びして訂正します。
※2013/7/12 追加し忘れていた小児についての話を追加するなど、少し加筆修正しました。
※2013/7/11 開発元であるNPS社の方に聞いた話を追加する、大幅な加筆修正を行いました。
※この記事は2013/7/5に書いた記事を基にしています。

GLP-2を基にした短腸症候群の治療薬で、一般名を「teduglutide」、使用が始まった合衆国での製品名を「Gattex(R)」(ガテックス)と言います。

合衆国とヨーロッパでは一昨年から使えるようになっていて、すでに200〜300名ほどの方が治療を受けられているそうです。日本でも年内に臨床試験を始めて開始から1年半〜2年後の販売開始を目標に準備が進められていますが、1年間の治療に3000万円かかります※1。このため、使えるように求めるだけでなく、政府に治療費の補助を求める必要もあるので、短腸症候群の会としても積極的に協力していきます※2

効能は、試験結果や開発元であるNPS社の担当重役に聞いた話によると、

 ・栄養吸収を改善して、高カロリー輸液経腸栄養への依存を減らし、量を減らす
 ・腸からの水分吸収を改善して、便の量を減らして尿の量を増やす、また、下痢を軽減する
 ・ストーマのある場合は排液を減らし、場合によっては、ストーマを閉鎖できるようにする

の3つが報告されているそうです。また、残存小腸の長さや原因疾患には関係なく効果があり、小腸がんなどの場合は5年間ほど再発していないことが必要になりますが、合併症があっても使用できるとのことでした。

ただ、今のところ、成人の短腸症候群が対象で、小児の短腸症候群には使えません※4。また、成人でも、使用を終了したあとに回復した栄養吸収の能力が再び落ちてきてしまうことがあるそうで、生涯の使用が必要になるとのことでした。とはいえ、小児を対象にした研究では使用を終了しても効果が落ちなかったとの報告もあるとのことです。このように、合衆国とヨーロッパでは小児にも使えるようにするための研究が行われているようで、日本でも臨床試験で対象患者の年齢を18歳以上から16歳以上に引き下げられないか検討するなど、小児を含めて使えるようにするための計画が立てられているのことでした。

副作用としては、研究段階で、足のむくみ、人工肛門粘膜の腫れ、頭痛、腹痛などが報告されていますが、重い症状はなく、試験でも重い症状はありません。また、ポリープや腸にできたガンの成長を促してしまう可能性があるので、腸にガンのある方は対象外になるほか、ポリープがあったり、できやすい方は定期的な検査が必要になるそうです。

使い方は、Gattex(R)の粉末が入ったアンプル、粉末を溶かすための精製水、注射器、消毒綿のセット※5を使って1日1回の皮下注射※6を毎日行います。事前や中間の検査が必要なので定期的に入院することになります※7が、それ以外は1週間に1度くらいの通院で薬と注射器を受け取って自分で注射する※8ことになるようです。

※1:1000〜2000万円とされる小腸移植※3より高いです。
※4:小児の用量は成人と異なる可能性があるそうです。
※5:ガラス製アンプルの先端を折り取って開封し、精製水を入れて溶かし、それを注射器で吸って注射するそうで、注射するだけで良い液状Gattex(R)入り注射器やペン型の注射器を開発するのは大変なのだそうです。
※6:0.05mg/kg/day
※7:1回につき数日から1週間くらい
※8:糖尿病のインスリン注射のイメージですが、ペン型の注射器はまだないそうです。

【参考】
※2「法人化を目指します」
※3「小腸移植」(大阪大学大学院医学系研究科・医学部のホームページ内)
「短腸症候群治療剤Revestiveレジスタードマークの欧州における販売許可取得について」(武田薬品工業のホームページ内)
『短腸症候群におけるGLP-2の役割と展望』(『臨床栄養』(2010),117巻(6号)666頁・医歯薬出版・2010)
2013/7/11に筆者が開発元であるNPS社の方と面会した際に聞いた話
2014/1/31に筆者が開発元であるNPS社の担当重役と面会した際に聞いた話
2014/5/25に筆者が開発元であるNPS社の方から第3回交流会で聞いた話

【関連記事】
「法人化を目指します」
「GLP-2」
「ヨーロッパで短腸症候群の治療薬に販売許可が出ました」
「ヨーロッパで短腸症候群の治療薬が認可へ向けて前進」
「『消化管ホルモンGLP−2分泌促進剤及び消化管ホルモンGLP−2分泌促進作用を有する飲食品』」
「新薬Gattex(R)の第3相試験終了」
ラベル:GLP-2
posted by 高橋(正) at 23:38| Comment(2) | ・クスリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月02日

L-グルタミン

ここに書いた内容は私が知っていることをまとめたもので、まだ書きかけです。間違っているところがあると思うので、ご利用の際はよくご確認ください。
アミノ酸の1種で、小腸の粘膜細胞のエネルギー源として重要です。このため、小腸の粘膜の再生を促して、短腸症候群の症状を改善する効果が期待されていますが、有効性を証明するはっきりしたデータはまだないようです。

ちなみに、「L-」というのは、グルタミンには右手と左手のように形の違うものがあって、その左手に当たるものという意味です。ほかのアミノ酸にも同じように形の違うものがありますが、生き物は基本的に左手に当たるものしか使わないので、「L-」を略して「グルタミン」と書くことも多いです。

また、よく似た言葉で、うまみ調味料の材料などとして知られる「グルタミン酸」がありますが、このグルタミン酸にはグルタミンと同じ効果はないようです。

【参考】
『短腸症候群と小腸不全』(『臨床栄養』(2010),117巻(6号)638-644頁・医歯薬出版・2010))
「グルタミン」(ウィキペディアの記事)
「グルタミン酸」(ウィキペディアの記事)

【関連記事】
「L-グルタミンを試すには」
posted by 高橋(正) at 22:19| Comment(0) | ・クスリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月20日

Omegaven(R)

ここに書いた内容は私が知っていることをまとめたもので、まだ書きかけです。間違っているところがあると思うので、ご利用の際はよくご確認ください。
ω-3系脂肪酸でできた脂肪を基にした静脈注射用の脂肪製剤で、「オメガベン」と読みます。

高カロリー輸液を続けている乳幼児の短腸症候群で起こりやすい腸管不全合併肝障害を軽減する効果があるとされています。

ですが、日本では承認されていないために、使用する際には個人輸入する必要があります。個人輸入する場合は、専門の輸入代行業者へ医師に書いてもらった書類を提出し、輸入します。業者は複数ありますが、箱買いになる上に送料や手数料、通関時の消費税などがかかるため、小児の1ヶ月分(約1箱)で10万円前後の費用がかかります。

【参考】
『腸管不全合併肝障害に対してω-3系脂肪製剤を投与した2症例の検討』(『小児外科』(2011),43巻(4号)380-387頁・東京医学社・2011)
「未承認薬・適応外薬の要望に対する企業見解」(厚生労働省のホームページ内)※PDF注意
Omegaven(R)を実際に使用されている患者のご家族のお話
「個人輸入代行サイト アイアールエックス・メディシン」(輸入代行業者のトップページ)

【関連記事】
「ω-3系脂肪製剤」
「腸管不全合併肝障害」
ラベル:ω-3系脂肪製剤
posted by 高橋(正) at 23:30| Comment(0) | ・クスリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月06日

コレスチラミンという薬

今日届いた論文のうち、

  『小腸大量切除後(短腸症候群)の排便の変化と対応』
  (『消化器外科 NURSING』2006 vol.11 no.8 776-779)

という論文(正しくは記事)を読んでいましたら、

  「回腸切除による結腸への胆汁流入増加によるもの(下痢)はコレスチラミン投与が有効です」(778)
  ※()内は引用した私が補いました

とありました。それで、“コレスチラミン”とはどんな薬だろうと調べてみたところ、

  『コレスチラミン』(おくすり110番内のページ)

にあるように、「クエストラン粉末44.4%」という製品名で、高コレステロール血症の治療に使われている粉薬らしいことが分かりました。

どれくらいの量を服用すれば良いのかまでは書かれていませんでしたが、本当なら私にも適用できるかもしれませんし、ほかの論文にも載っているかどうか調べてみます。
posted by 高橋(正) at 23:08| Comment(0) | ・クスリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月10日

ウルソ錠も良いようです

先週、新たに処方されたウルソ錠100mgがどんな薬か調べたところ、短腸症候群に良い薬のようです。

というのも、効能に“小腸切除後遺症”とはっきり書いてあるのです。

  『お薬110番』の記事 http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se23/se2362001.html
  『医薬品検索イーファーマ』の記事 http://www.e-pharma.jp/dirbook/contents/data/prt/2362001F2149.html

有効成分も漢方薬の熊胆(“くまのい”のことです)と同じで、副作用も下痢になる人がいるくらいで、長期服用も安心だそうです。

ジェネリック薬も出ていますし、だるさ解消と共に効果を期待していきたいです。
ラベル:クスリ
posted by 高橋(正) at 20:18| Comment(0) | ・クスリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

酪酸菌(宮入菌)が良さそうです

先週、処方が大きく変わったので、新たに処方された薬がどんな薬か調べていました。

その1つ、ミヤBM錠は、今まで飲んでいたラクボン酸2%(有胞子性乳酸菌)とビオフェルミン錠剤(ビフィズス菌)と違う“酪酸菌(宮入菌)”という腸内細菌の製剤で、

  ・腸管粘膜機能の改善
  ・腸内細菌叢の改善
  ・産生する酪酸による腸管上皮細胞の増殖促進

などが期待できるそうです。

詳しくは、製造元であるミヤリサン製薬株式会社のホームページ内にある『酪酸菌の科学』(http://www.miyarisan.com/probiotics.htm#tube)を読んでいただきたいですが、処方ができなくなってしまったグルミン(L-グルタミン)に近い効果もある程度期待できるかもしれません。

薬価もラクボン酸2%(3g/日)とビオフェルミン錠剤(3錠/日)の組み合わせより安い(6錠/日のとき)ようですし、さらに安いジェネリック薬も出ています。どのような薬か少し不安もありましたが、期待して飲んでいきたいです。
ラベル:クスリ
posted by 高橋(正) at 17:59| Comment(0) | ・クスリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月17日

ビフィズス菌製剤を試すには

処方箋薬になっているビフィズス菌製剤はないかと検索していましたら、『ビフィスゲン』という薬を見付けました。

『ビフィスゲン』
 一般名:ビフィズス菌
 規格:2%1g
 薬価:6.30円/g
 メーカー:日東薬品
 用法:ビフィズス菌末として1日3〜6gを3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
 副作用:この薬はもともと人の腸内に存在する菌を製剤化したものであり、現在までのところ副作用は知られていない。

(引用元:『お薬110番』内ページ http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se23/se2316018.html#1
『医薬品検索イーファーマ』内ページhttp://www.e-pharma.jp/dirbook/contents/data/prt/2316018B1038.html
『QLifeお薬検索』内ページhttp://www.qlife.jp/meds/rx14563.html

先日『ビフィズス菌が効く?』でお伝えしたビフィズス菌とは違う可能性が高いですが、主に大腸で活躍する乳酸菌の処方箋薬として、参考にしてください。
posted by 高橋(正) at 17:34| Comment(0) | ・クスリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月01日

L-グルタミンを試すには

短腸症候群で低下した小腸の消化・吸収能力を高める物質として、アミノ酸の一種であるL-グルタミンが注目されています。

サプリメントとしてもずいぶん利用されているようなので、すでに利用されている方もいると思いますが、実は、『グルミン』という名前で処方箋薬になっています。

『グルミン』
 一般名:L-グルタミン顆粒
 規格:99%
 薬価:6.30円/g
 メーカー:協和発酵
 用法:L-グルタミンとして、通常成人、1日1〜2gを3〜4回に分けて経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。(1日6g)
 副作用:本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、文献等を参考に集計した。1,289例中、副作用の発現例は22例(発現率1.7%)で、26件であった。
  1.消化器:(0.1〜5%未満)便秘、口渇、悪心。
  2.その他:(0.1〜5%未満)顔面紅潮。
 使用上の注意:一般的に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。

(引用元:『お薬110番』内ページ http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se23/se2322001.html
『医薬品検索イーファーマ』内ページhttp://www.e-pharma.jp/allHtml/2322/2322001D1286.htm

サプリメントして売られている『アミノピュア』(100%)だと500g入りが1瓶9870円、100g入りが1瓶3980円ですから、ずっと経済的で試しやすいと思います。

もちろん、処方箋薬なので、医師に相談する必要はありますが、興味のある方はぜひ医師に相談してみてはと思います。
posted by 高橋(正) at 21:05| Comment(0) | ・クスリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする